① はじめに:育休が終わる前日の夜に
明日から仕事に戻ります。
約3ヶ月の育休が、いよいよ終わろうとしています。
この数ヶ月、毎日のように子どもを抱っこし、ミルクをあげ、沐浴をして、寝かしつけて。
3歳の娘とは保育園の送迎や、絵本を読んだり、お昼寝して……。
今思い返しても、本当に濃く、愛おしく、そしてかけがえのない時間でした。
そして今、ふと静かになった夜に感じるのは、「明日からこの生活じゃなくなるんだな」という寂しさと、「ちゃんと仕事モードに戻れるのかな」という不安です。
② 育休中に感じたこと・得たもの
育休に入る前、正直に言えば「育児はできる範囲で手伝うつもり」くらいの気持ちでした。
でも、実際に毎日子どもと向き合ってみると、その認識は一気に変わりました。
おむつ替え一つとっても、子どもの機嫌やタイミングを見ながらじゃないとうまくいかない。
授乳のサポートや寝かしつけでは、何度も何度もやり直し。
「今日は1時間しか寝ていない」なんて日もありました。
でも、そんな毎日だからこそ見えたものもありました。
娘が保育園から帰ってきたときの嬉しそうな顔。
0歳の息子が初めて笑ってくれた日。
夫婦で、毎晩のように育児について話し合い、ぶつかり、でも少しずつチームになっていった日々。
この育休期間は、「大変さ以上に、深く家族とつながれた時間」だったと胸を張って言えます。
③ 復職直前に感じている不安とプレッシャー
復職が近づくにつれて、気がかりが増えていきました。
まずは、仕事への不安。
しばらく現場を離れていたことで「ちゃんと感覚を取り戻せるのか」「以前のように成果を出せるのか」と考えるたびに、胸が重くなります。
そしてもうひとつが、家庭との両立への不安。
これまで1日中一緒にいた子どもたちとの時間が激減すること、そして育児の負担が再び妻に偏ってしまうことに心がざわつきます。
妻からは「17時までに帰ってきてほしい」といった要望や、「今から不安で仕方がない」という言葉が出るようになりました。
正直、返す言葉が見つかりませんでした。
「なるべく頑張る」としか言えない自分の無力さと、責任の重さを痛感しています。
そして今、一番強く感じているのは、「この時間がもう戻らないかもしれない」という寂しさです。
子どもが泣きじゃくる夜ももちろん決して楽ではなかった‥。
でも今となっては、全部が愛おしくてたまらない記憶です。
④ この寂しさとどう向き合うか
この「寂しさ」は、避けられるものではありません。
むしろ、「家族との時間を大切にしていた証」なのだと思います。
それだけ深く関わってきたからこそ、終わりが近づくことに心が揺れるのは当然のことです。
でも、この気持ちを**「終わり」ではなく、「始まり」として捉え直そうと思っています。
確かに、以前のように一日中子どもたちと一緒に過ごすことは難しくなります。
けれど、代わりに“これからの関わり方”を見つけていくこと**はできます。
たとえば、
- 夜の寝かしつけは必ず自分が担当する
- 月に1回は「パパと子どもだけの日」をつくる
- 育児の記録を日記や写真で共有し、家族で振り返る機会を持つ
など、小さなことからでも「父親として関わり続ける形」を作っていけたらと思っています。
また、パートナーとの関係も、完璧を求めすぎず、定期的に気持ちを話し合える場を持つことを意識していきたいです。
「どちらかが頑張りすぎない」ことが、これからの家庭づくりの鍵になると感じています。

⑤ 他の家庭はどうしている?
「他の家庭って、どうしてるんだろう?」
この復職前の数日間、ふとしたタイミングでそんな疑問が浮かびました。
調べてみると、「育児のために17時までに帰宅している父親」は、全体の中で5%にも満たないのが現実です。
多くの家庭でも、夫が仕事に戻るタイミングで、妻の育児負担が一気に増えるという声が少なくありません。
「仕事があるから仕方ない」
そう割り切るのは簡単かもしれません。
でも、だからこそどうすれば“仕方ない”で終わらせずに済むか、それを夫婦で話し合うことがとても大切だと感じています。
実際にうまくバランスを取っている家庭では、こんな工夫をしているようです。
- 週1日は早帰り日を決めて、家族で夕食・お風呂・寝かしつけをする
- 土日のどちらかは「ワンオペ交代デー」を作り、お互いにリフレッシュ時間を持つ
- 1〜2ヶ月ごとに「家事・育児の振り返りミーティング」を行う
- 家族カレンダーやToDoアプリを使って、可視化・共有する
我が家にぴったりの方法は、きっとまだ模索中です。
でも「自分も育児をする当事者である」という意識を手放さず、できることから一つずつ積み重ねていくしかないと感じています。
⑥ おわりに:この経験を、これからにどう活かすか
育休を終える今、私はひとつの節目に立っています。
大切な家族との時間を過ごし、成長をともに喜び、何度も壁にぶつかって、また乗り越えてきました。
この数ヶ月は、決して“休み”ではありませんでした。
むしろ、これまででいちばん「家族と生きること」を考えさせられた日々だったと思います。
そしてこれからは、“仕事も家族も”をどう実現していくか。
育休で得た視点と実感を、働き方や家族との関わり方に活かしていきたいです。
もしこの記事が、これから育休を取ることを考えている方や、復職を控えている方の心に届くなら、これほど嬉しいことはありません。
きっと不安や葛藤があって当然。でも、それ以上に得られるものが確かにあると、私は胸を張って言えます。
最後に、自分自身へのメッセージを込めて。
「この時間が終わるんじゃない、ここからまた新しい時間が始まるんだ。」
明日から、また一歩ずつ進んでいこうと思います。